Hone.のPC工房

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XPERIA XZ2 バッテリーレス化改造

 最近中古で購入したSONY XPERIA XZ2(SOV37)を家置きのソシャゲー端末にしようと思う。

 

 SONY XPERIA XZ2

当記事に掲載されている内容は執筆者が実際に行った作業を掲載しています。真似される場合は故障などのリスクを承知の上で自己責任で行ってください。当記事を参考にして発生した如何なる事象に関し当記事執筆者は責任を負いません。

 具体的には本機の内蔵バッテリーを取り外し、外部から電源を供給することによりバッテリーの劣化や充電などの問題を無くすことにする。

まずは分解

 

 本機の分解は「バッテリー交換方法」などの動画を参考にした。

改造には本機筐体へ入線のための引き込み口を開口する事と、マザーボードへ引き込んだ電源を接続する改造をバッテリーに行うことになる。

開口

筐体の開口部

 筐体の開口はまず縦持ちした状態の右下辺りに行う。

上の写真は開口が完了した状態。開口にはまず一体成型の樹脂部分を半田ゴテなどで溶かして除去する必要がある。

樹脂部分が除去できたらハンドニブラーなどを使いアルミ筐体を切り欠いて入線できるだけの穴を開ける。

加工は実装部品を外さず行ったためヤスリがけなど粉が出る加工は行っていない。

バッテリーの加工

バッテリー

 本機改造の前に必ず行うのがバッテリーの定格と仕様の確認である。

写真のバッテリーは定格 3.85V 3060mAh であることが判る。もう一つ重要なのは最大電圧でこのバッテリーは 4.4V である。

上の写真から内蔵バッテリーはフル充電で 4.4V 近辺まで電圧が上がり、その電圧がマザーボードに供給されることが判る。

 

バッテリーから制御基板を分離

 内蔵バッテリーパックを分解しバッテリーから制御基板を取り外す。

マザーボードの電源接続部が専用コネクタとフラットケーブルで接続されるため外部から入線した電源線を半田付けする部位が必要になる。

バッテリーパックの制御基板へ配線を接続するのが簡単な方法となる。

外部にバッテリーなどを接続する場合

 上の写真はバッテリーパックなどを外部に接続する場合の接続位置。

バッテリーを外出しにして配線で繋ぐ場合。

ただしこの場合、本機のUSB TypeCポートからの充電には対応しない。出来ても容量差などで満充電にならない可能性がある。

スイッチング電源などを接続する場合

 上の写真は電源コネクタのフラットケーブルに直に電源線を半田付けしている。

バッテリーとは違う配線をする理由は「スイッチング電源はピュアな直流電圧を出力しない」為であり、バッテリー接続部に配線しても制御ICが誤動作するか出力できても本機は動作しなかった。

理由として直流電圧を監視する制御ICに実効電圧4.4Vの方形波を投入しても「異常あり」と判断される為である。

写真のようにB+と+、B-と-をそれぞれ繋ぐとマザーボードはスイッチング電源の電圧でも動作「は」する。

制御基板からバッテリー容量値を示す電圧も出力されているようだが正常な値かどうかは未知数。

不具合があるとすればバッテリ容量表示が常に最低値となる事である。これは制御ICからバッテリーの容量値が適正範囲で返されていない場合が考えられる。

本機の動作が遅いと感じる場合は省電力設定を見直す必要がある。

またバッテリーの電圧最大値である 4.4V を超えて印加しても本機は起動しなかった。おそらくオーバーカレント制御が働いていると推測する。

ちなみにXPERIA Z Ultraは 5V で動作した。

配線
 本機内部は非常に狭く引き回せる配線の太さに制限がある。上記写真では AWG24 の電線を使用して実験しているが本機に配線してもフロントパネルが正常に固定できなかった。

試しに AWG30 の電線を使用したら配線容量不足で動作が不安定だった。

 

配線後

本機動作には最低でも AWG26 を使用し、引き回しには工夫が必要になるだろう。

被服の薄い電線を使用する手もあるが湾曲などで断線し易く、また被服が薄いため破れる事による短絡などが心配される。

5V のスイッチング電源の電圧を 4.35V に設定し本機に接続。正常動作を確認。