Hone.のPC工房

PC工作好きなHone.の活動記録ブログ

FSPC 電源部製作

更新:安定用コンデンサ増量

 

ローカルファイルサーバーを作ろう

 今度のPCは私としては珍しくATX規格のPCを扱う。とは言うモノの古いパーツの寄せ集めでマザーボードは小型のMini-ITX、CPUには低消費電力型(35w)第四世代Core-i3でメモリは同世代のDDR3-1600を8GB程度。

 

所謂、骨董品で1台組んでやろうと言う訳だ。

 

骨董品の第四世代とは言うがWindows10は動作するしファイルサーバー(NAS)やIISでローカルWEBサービスも難なくこなす事ができる。

 

私から言わせれば仕様を満たせば古かろうが脆弱性が指摘されようが運用で何とでもなる些細なことだ。懸念があるとすれば経年劣化の故障くらいか。

 

PCを減らす試み

 我が家の2台のNASを1台に統合して不足した記憶容量はHDD1台当たりの容量アップすることで古くなったHDDの置き換えも進める予定である。

 

とりあえず本機の仕様を纏めてみる

 ・マザーはMini-ITXASUS H97I-Plus

 ・CPUは第四世代Core i3-4130T(35W)

 ・メモリはDDR3-1600 4GB×2 8GB

上記3つのパーツ次第で最新にも骨董品にも化ける。

 ・搭載ストレージは3.5インチ HDD×6基(マザーにSATA3を2ポート追加)

 ・起動ストレージはM.2 NVMe Gen3×2 2280 512GB(マザーに搭載)

 ・7インチタッチ液晶装備(動作モニター用)

 ・ケースはアルミケースで自作(290mm×240mm×180mm)

 ・電源は12V 360Wスイッチング電源 マザーには電源変換基板使用

 ・I/OはUSB2.0×2(前面)と有線LAN(後面)のみ

 ・OSはWindows10 1511 Pro 64Bit(サポート切れの方が都合が良い)

 ・設定はリモートアクセスで行う

 ・インターネットには直接接続しない

 

電源部製作

 本機はATX規格でありながら電源は12V単一である。入力はAC100Vで行い内部で12Vを作り各部へ接続する。

 

製作した電源

 

 本機の12VにはAmazonで入手した中華製12V 30A(360W)のスイッチング電源を採用した。入手当初かなりの手直しが必要だったが然るべき処置により動作は良好である。

 

そこにHDDに必要な5VをDC-DCコンバータ(MAX 10A)で作り、マザーの起動で出力される5VをトリガーとしたFET SWで12Vと共にスイッチしている。

 

マザーの起動と同時にHDDへ電源が供給される。

 

出力端の安定化コンデンサの容量を現在の16V 3300μF×3から25V 10000μF×3に増量した。

 

コンデンサ交換

 

一次側(100V)の電圧変動や二次側(12V)の急激な負荷変動などによる出力変動を極力少なくするためにコンデンサの増量が効果的だ。

 

あと中華製品に多いのだが「負荷変動の大きい電源」の2次側12Vに対し16Vの耐圧の製品を使うことは劣化による寿命の短縮化が起きやすい。最低でも定格電圧に対し2倍の耐圧とコンデンサなら105度の温度補償が欲しい。

 

一つ懸念があるとすれば今回のコンデンサ交換でサイズが大型化した影響で二次側平滑用チョークコイルコンデンサ接触しそうなくらい近づいてしまっている。

 

負荷が高まりチョークコイルが発熱するとコンデンサに熱が伝わりやすく、最悪コンデンサの寿命を縮めてしまう恐れがある。幸いなことに本機程度の負荷ではこのチョークコイルは手で触れても「暖かい」程度なので急なコンデンサの劣化は起きないと推測している。

 

マザー駆動用の電源変換基板

 

 12Vの電源からMini-ITXのマザーに必要な電圧を作り出す電源変換基板を接続している。この製品は最大出力300Wを謳う製品だが今回搭載するマザーは全体で60W程度の予定。

 

写真の製品は300Wで出品されていた製品を購入したが、2022年08月現在はAmazonで250Wとして出品されているようだ。

 

とは言え我が家でi7-2600K+H61マザーで負荷テストをパスしているので問題ないが。

 

ATX電源の配線の多さが嫌いな私

 市販のATX電源から生えている電源線の多さにうんざりしている。規格物なので配線数が一定なのは理解できるが、長い配線長がPCの小型化を阻害し、時にはケース内の空気循環を妨げる結果になることもある。

 

可能ならばこの余分な配線を極力無くしてスッキリPCを作りたいものだ。そこで有用なのは上の写真のような小電力PC用の電源変換基板だ。製品としては60~350W程度までのバリエーションがあり製作するPCの電力規模により製品を選定できる。

 

現在でもAmazonから入手できるようだ。

 

動作テストと電圧調整の様子

 

 写真はMini-ITXマザーに接続して出力調整と出力が連動するかのテストを行っている。使用しているマザーがかなり古いが動作原理は同じなのでテストに使用している。

 

完成直前の電源

 上の写真は電源にSATA電源線を接続した完成目前の様子。圧着型SATA電源コネクタを切らしていた為、HDD2基分のコネクタが付いている。

 

残りは後日自作PC店等で購入して取り付けようと思う。

 

実を言うとHDD6基を数珠繋ぎで給電する際は電源線を環状接続する方がHDDの動作が安定する。PC起動時などHDDの消費電力が高まる時に電源線末端のHDDが電圧降下で誤動作する場合はこの方法で接続する。環状の配線の為、負荷に対し右回りでも左回りでも電力を供給することができるので負荷による電圧降下は発生しにくい。

 

私としては配線数が倍になるのであまり採用したくない配線方法なのだが。

 

今回は新しいPCの部品として電源を製作した。