Hone.のPC工房

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内部がほぼ完成なNAS PC

NAS PC製作 その2 製作前編

 前回NAS PCの計画を立て使用部材の選定を行いました。今回内部がほぼ完成したので紹介します。

 

内部全景

NAS PC内部実装部品

 

 写真は配線図を元に製作したNAS PC内部。マザーボードはH110チップセット搭載の第六世代CPU向けの製品で、CPUにはCore i5-6500 、メモリはDDR4-2400(2133MHz駆動) の8GB×2枚で16GB、起動ストレージはM.2 NGFF(SATA) 128GB SSDを搭載。

 

MicroATXでも珍しい筐体前面側に拡張スロットを配置しています。

 

拡張スロットはPCI Express(以降PCIe) Gen2 x1(5GT/s:5Gbpsと同等)が合計8スロット分搭載されており、SSDが4枚載る拡張カードを8枚載せれば合計32枚のSSDを搭載できます。

 

内部拡張スロット

 

 拡張スロットは完全に筐体内で固定され外部からはアクセスできません。このスロットはストレージ増設専用となります。拡張スロットは使用するPCIe信号の違いにより写真の右側がA列、左側をB列としています。

 

現在は動作試験用に2枚だけストレージカードを載せています。

 

PCIeスイッチ基板

 

 PCIe信号を分岐増設する基板はマザーボードからPCIe x1相当の配線をUSB3.0 TypeAケーブルで接続し内部のスイッチチップで4基に分岐します。

 

PCIe x1信号は10本の線で延長できる事になります。(USB3.0ケーブルのシールド線も含め)

 

今回使用したスイッチ基板はPCIe Gen2に対応し、マザーボードがGen3であっても分岐先PCIeスロットは5GT/sの転送速度になります。この速度はUSB3.0をHUBを介して接続した状態とほぼ同等で信号伝達の欠点も似ています。

 

スイッチ基板の電源回り

 

PCIeスイッチ基板の電源は「本機では」12vをメインとし、5Vで各PCIeスロットに必要な3.3Vとスイッチチップの電源1.2Vを作って供給します。

 

12Vはスイッチング電源からFET SW(黒い小さな基板)を通って繋がります。

 

マザーボードと電源

 

 マザーボードは空気の流れを妨げない「部品の高さが低い」製品を採用。デスクトップPCなのに横載せSO-DIMMとか19V単一電源で動作するマザーボードだったりと多少普通のMicroATX PCとは構造が違ったりします。

 

現在マザーボードは12Vで無理やり(?)動作させていますが、テストの結果次第では安定性確保のため、ブーストコンバータを使って12Vから19Vを作りマザーボードへ供給するかもしれません。

 

マザーボードから拡張カードへ延長するPCIe信号はPCIe x16スロットから1本(A列)、Mini-PCIeスロットから1本(B列)の2本を各スイッチ基板へ接続しています。

 

A列PCIe信号の引き出しと起動用SSDが載る拡張基板

 

 起動用ストレージとA列PCIe信号の引き出しは写真のNVMe SATAコンボカードを応用して接続しています。

 

起動用ストレージ(上側)は電源3.3VをPCIeスロットから貰うので配線を省略できます。ただしSATAケーブルは必要です。

 

PCIe信号はNVMeソケットに形状変換基板を接続して1レーン分の信号線を延長しています。このPCIe信号はCPUのPCIeレーンに接続され、リンク最大速度は8GT/sあります。

 

B列PCIe信号の引き出しに使う青色の小さな基板とケーブル

 

 写真中央付近の青色の小さな基板がMini-PCIeスロットに接続された形状変換基板でB列側のPCIe信号を延長しています。このPCIe信号はH110チップセット側のPCIeレーンに接続され、リンク速度は5GT/sあります。

 

ストレージカードの固定は2か所のネジ止め

 

 拡張カードは固定用プレートを取り外し本機に装着した後、固定用プレートの付いていた穴を利用して筐体に穴を開けてスタットボルトで高さを調整して取り付けています。

 

A側、B側各列の2枚目以降のカードはPCIeスロットの間隔(約18mm)に合わせたスタットボルトで高さを合わせて取り付けます。

 

拡張カードは搭載するSSDが軽量な事と基板自体が割と丈夫な為、ネジによる変則2点止めでも十分保持されPCIeスロットからの脱落やズレもありません。

 

一つ条件があるとすれば「同一ストレージカード」を載せないと製品によっては固定用プレートの穴ピッチが違う為取り付けできない等の不具合が生じます。

 

なので最低でもあと2枚は同じストレージカードを購入する予定です。毎月2枚づつ購入していづれ8枚にしようかとも考えています。

 

今回は本機内部の電気的部分がほぼ完成し通電試験が可能なところまで完成できました。

 

次回はフロントパネル製作と各部のリベット止めを行う予定です。

 

使用部材

必要最小数で足りる類似製品を掲載

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