追記:2023年12月03日 追加加工とパフォーマンス
筐体に熱が籠らないようにしてみる
本機購入後「無理な改造はしない」と言っている次の日にこの記事である(笑)。
本機のベンチマーク中の発熱が70度で頭打ち*1している様なので、SoCのヒートシンクにある程度の空流を設ければSoCの動作周波数を上げられると考えました。
目的
SoCの高負荷時の発熱を下げると同時に動作周波数向上させるために筐体内に空流を設けヒートシンクの温度を下げる。
改造
まずマザーボードの「丁度良い」3.3Vの場所を探します。条件は電源ONと同時に電圧が発生するポイント。
WiFiの3.3Vから電源を採る
条件に合う場所はWiFi用M.2スロットの3.3V用コンバータの出力側から採ります。
GNDはメモリ横の空ランドから
本機のマザーボードはGNDパターンが少なくFANの電源に有効なランドを探すのに一苦労しました。テスターで当たる程度の事ならどこでも良いのですが、半田付けとなると途端に場所が見つかり難くなります。
内部加工
FAN取り付け
空冷FANは過去に分解破棄したノートPCの部品を利用しています。FANは定格5Vですがマザーボードから引き込んだ3.3Vで駆動させます。(煩いので)
取り付けはウレタン両面テープでしっかりかつ多少の上下方向の圧に対しても柔軟であるように面着しています。
あとは空気の通り道をスポンジテープで作ります。これは裏蓋に接触して意図しない方向に空流が逃げない様にするためです。
全体
スポンジテープで筐体全体の約半分を仕切り、SoCのヒートシンクからM.2スロット部を通って筐体奥側の開口部から排気できるよう空気の流れを作っています。
筐体開口
筐体を開口
排気口は液晶パネル付け根付近の筐体をFANの口径と同じ程度開口しています。
裏蓋の開口部(控えめに開けた)
写真はテスト前の冷却効果を「半信半疑」状態で加工したため控えめに作業しています。
また冷却効果が「出た」場合はFAN直上にも開口部を設けようと思います。
効果確認
加工が完了したのでSoCに負荷をかけて発熱と操作周波数を以前と比べてみます。
加工前
SoC 100%負荷時(1時間経過後)
CPU-Z Multi Thread bench:486(64Bit OS)
SoC温度:70度 動作周波数:1.6GHz
加工後
SoC 100%負荷時(1時間経過後)
CPU-Z Multi Thread bench:486(64Bit OS) 変わらない?
SoC温度:60度 動作周波数:1.7~1.8GHz(ふらつく)
以上の結果から高負荷時の発熱が10度下がり、動作周波数は100~200MHz上昇したことになります。ベンチマークスコアが変わらないのはGPUにパフォーマンスがとられてCPUのスコアが変化しなかったと推測しています。
追記:追加加工
左右に同じ開口個所を設けた
追加加工後
SoC 100%負荷時(1時間経過後)
CPU-Z Multi Thread bench:491(64Bit OS)
SoC温度:60度 動作周波数:1.72~1.82GHz(ふらつく)
吸気口を増やした場合、ややパフォーマンスに伸びが見られます。これはiGPUの負荷は100%出し切っている状態で、CPU部の動作に余裕が出来たことでベンチマークのスコアが伸びたようです。
ちなみにSoCのCPU部にのみ100%の負荷をかけた状態では、
SoC のCPU部のみ100%負荷時(1時間経過後)
CPU-Z Multi Thread bench:682(64Bit OS)
SoC温度:58度 動作周波数:2.2GHz(ふらつく)
吸気FANへの外気の流量が増え、より多くのFANの空気がSoCのヒートシンクへ流れるようになった為だと推測します。
結果
筐体を開口しSoCのヒートシンクにFANで強制的に外気を通すだけで発熱や動作周波数を改善できる余地があることが判りました。
SoC温度が60度近辺では、動作周波数が1.7~1.8GHzと値の変化が緩やかなためこの辺りが改造による限界だと思います。これ以上はFANの騒音が増えたり筐体を穴だらけにする結末が見えます(汗)。
なので本機のパフォーマンス改善の改造はここまでにしておきます。
*1:頭打ちとはSoCの動作周波数と発熱がちょうど一定になり変化しない状態です。