初心者お断り!?でも手を加えると今でも使えるシンクライアントノート
先週大須は某ジャンクショップにてDELL Wyse 5470を入手。価格は驚きの税込1980円でした。
本機
本機はシンクライアントという位置づけのノートPCでGemini Lake SoC Celeron N4000 2コア2スレッド 1.1~2.5GHz 4MBキャッシュで、メモリスロット2基の16GBまで搭載可能。購入時はDDR4-2666 4GB 1枚でした。
またストレージ容量が16GB eMMCを搭載しており、この部分がシンクライアント所以なのだなと感じます。
画面は14インチの1366×768ドット表示でTNパネル程度の視野角です。
内部
上の写真は本機内部の様子。右下にM.2 SSD用のスロットがありストレージの増設が可能なのが解ります。
メモリスロットが2本あることからデュアルチャンネル構成が可能で、SoCの許容16GBまでメモリが実装できます。
ヒートシンク周辺に冷却FANが無いことから本機はFANレス動作の無音PCだということが解ります。
ストレージ増設に難あり
M.2スロットにSSDを装着しようとしたが・・・
本機のM.2スロットは増設が想定されていないのか、又は専用の固定具が必要なタイプのようです。
SSDの取り付けに必要なネジ穴のピッチがどのサイズのSSDにも合いません。
そこでSSD裏面に当たる部分にウレタンスポンジテープなどで隙間を埋め、装着したSSDの表面には1mm厚の放熱シートを貼り付けて筐体カバーで押さえる方法でSSDを半固定して使用しました。
本機のM.2スロットはNVMe、NGFF両方のSSDに対応します。(BIOSにて確認)
電源部分の改造
アダプター入力部の改造
我が家恒例電源コネクタ部を延長ケーブル化して汎用19Vで動作するように改造しています。ただしこの改造を行うと動作自体には支障はありませんが、BIOSからはACアダプタのタイプ不明と判断されバッテリーが充電されなくなります。
そこで充電されないバッテリーを撤去してバッテリーレス化しています。
外部から配線を直付けすると底面カバーが取り付けできなくなる仕様のため、一部底面カバーを開口して開閉できるようにしています。
無線LANモジュール
本機のWiFiモジュールはM.2 2230接続 Intel Wireless-AC 9560 を搭載し、802.11ac 5GHzで最高1.73 Gbpsで通信が可能です。Bluetooth 5.1も搭載しています。
本機のパフォーマンス的に過剰なほど高性能な無線LANモジュールです。
OS
Windows10インストールの様子
本機は専用OSがeMMCにインストールされて運用される様ですが、Windows10もインストールして使用可能です。
DELLのダウンロードページから本機のWindows10用ドライバ(64Bit)をダウンロードできます。ただし比較的新しいバージョンのWindows10用のドライバであることに注意が必要です。
Windows10 22H2に対しては問題なくドライバをインストールできるでしょう。
注意として
Windows10をインストールするにはeMMCでは容量が不足するかもしれません。M.2スロットにSSDを装着してSSDへWindows10をインストールします。
Windows10ではAtom型SoCの2コア製品に相当する動作の躓きや各処理の重さを多少感じますが一度動き出せばそれほどストレスを感じることなく動作しています。
またWindows10のチューニング次第では操作感も軽く改善できます。(邪魔なDefenderを殺すとか)
パフォーマンス
我が家恒例パフォーマンスチェックの時間です。
CPU-ZでSoCのCPU部分に100%の負荷をかけて長時間放置した場合のベンチマーク結果と発熱状況を確認します。
CPU-Z Multi Thred Benth:371.2(64Bit OS)
ベンチマーク時の本機全体の消費電力:19.1V 0.31A 5.92W
SoCの発熱は61度程度でファンレスの本機としては非常に優秀な放熱機構ではないでしょうか。
なお今回はiGPU部分に関しては高負荷をかけていません。本機の構成上必要性を感じないためです。
捨て値でも結構使える
今回は捨て値同然で売られていたシンクライアントが実は結構使える事が解りました。
ただし多少ハードの知識と増設程度のスキル、不足電源ACアダプタを買い揃えるだけのスキルを持った玄人向けの製品ではありますが。