熱が筐体内に籠らないようにする改造
先回購入して使えるように改造を施したNEC VersaPro VH-3ですが、負荷が高い状態が続くと結構熱が出てパフォーマンスが下がってしまうことが解りました。
発生していた熱がFANレス構造のため筐体内に籠り、この籠った熱がヒートシンクの自然放熱の妨げになっているのは想像に易いです。
なので筐体に熱が籠らないようにFANを追加して強制的に空気を循環させてやろうと思います。
FANの追加
薄型4センチのFANを追加
ノートPCなどに使われている薄型FANを吸気用に使い、USBバスパワー(5V)を電源にしています。そのままですとFANが高回転で煩いため超小型DC-DCコンバーターを使って許容できるノイズレベルまでFANの回転速度を落としています。
空気の流れ
筐体内の空気の流れ
上の写真はFANから吸気した空気の流れを青(緑?)色の矢印で表しています。黄色の枠は(元)バッテリーの筐体で筐体内の仕切りと補強の役割を果たしています。
今回FANを追加するにあたって枠の一部を切除して筐体内に空気の流れる道を作っています。
筐体内に流入した空気はSSDからマザーボードのヒートシンクを通り、電源部を通って筐体外へ排出される流れです。
筐体の吸気・排気口
裏蓋の開口部
吸気口はFANへの空気取り入れ口になっていますが穴あけ寸法を盛大に間違えて見苦しい状態になっています(笑)
排気口は反対側の側面下、マザーボード寄りに穴を多く開けています。あとは吸気に対して排気が間に合うように穴を多く開けています。
本機底面から吸気して、対面の側面下から排気する形です。
改造による効果
本改造によって筐体内に熱が籠らなくなったのが確認できます。
SoCのCPU、iGPU共に高負荷をかけて1時間ほど放置した結果、改造前はCPUの速度が600~700MHzまで落ち発熱は75度で安定しています。(本機は高負荷になるとSoCの発熱が75度を超えないようにパフォーマンスを調整します)
改造後同じ環境でテストしましたがCPUの速度は1.2GHzで落ち着き、発熱は75度になっています。
CPU-Z Multi Thread Bench 210(64Bit OS:長時間高負荷・高発熱時)
本機全体の消費電力は19V 0.65A 12.35W
ベンチマーク結果では10ポイントほどしか改善されていませんが、これはGPU側にパフォーマンスをとられてCPUスコアが上がっていない様です。
(iGPUの負荷は無改造で最低値45%、改造後95%で安定)
CPUだけに負荷をかけて放置した場合、1.8GHzで安定し温度は75度。ベンチマークは
CPU-Z Multi Thread Bench 494(64Bit OS:CPUのみ高負荷)
数値的にパフォーマンスが上がっていることが解ります。
本機全体の消費電力は19V 0.57A 10.83W
結果
本機筐体内に熱が籠らない環境ではSoCの負荷による動作周波数が改造前と比べ1.7倍改善され、iGPUの動作も改善される結果が出ています。
筐体内の排熱がいかに重要かが判る改造でした。(熱が籠らないからSoCの動作キャパに余裕が出来た)
筐体内に熱が籠らないだけでもパフォーマンスの改善ができることが解りました。