ストレージのアクセス速度が遅い件
先回動作可能にまで扱ぎ付けた本機ですが、通電試験中のストレージへのアクセステストで予想よりも速度が遅い様です。
予定ではPCIe Gen3(8Gbps)でマザーボードとSATAカードがリンクしてSATAストレージには6Gbpsで繋がる予定でした。
ですが実際にはPCIe Gen1(2.5Gbps)でリンクしているようです。
PCIe スロットのリンク速度(クリックで大きくなります)
上のスクリーンショットを見るとSATAカードのPCIリンク速度が2.5GT/sに落ちています。
マザーボードからSATAカードの経路に何かしらの原因が考えられます。
電源を疑ってみる
SATAカードへの電力供給が少なくてパワーセーブモードか何かで動作しているのか?と考えましたが、そもそもSATAカードへの給電不足が発生する場合PCIe延長ライザーのヒューズがまず先に飛ぶはずです。
なので電源容量の線は消えました。
SATAストレージにGen2とGen3が混在している
現在本機に接続しているストレージは古いタイプのHDDやSSDなどが混在した状態です。そうなってくるとHDDやSSDのSATA規格もGen2(3Gbps)やGen3(6Gbps)が混在していることになりSATAコントローラー次第では「遅い方の規格に全体を合わせてしまう」場合があります。
ですが今回Gen3(6Gbps)のSSDのみを接続した状態でアクセステストを行ってもPCIeのリンク速度は2.5GT/sになっています。
こうなると規格速度が原因ではなくなります。
PCIe信号経路に問題ありか
本機はマザーボードのPCIeポートからライザーコネクタを使って信号を延長しています。その過程でPCIe信号が減衰又はノイズが乗って通信が確立し難い状態になっている可能性について考えてみます。
対策としてケーブルが繋がるコネクタの露出部分をシールド処理することによりノイズが乗り難くなります。
ついでにSATAカード側のコネクタをPCIeライザーのみ接続するよう変更してコネクタによるノイズや接触不良を減らします。
ライザーコネクタを直挿しにしてノイズ対策
上の写真はPCIeライザーコネクタの裏側を絶縁した後、銅箔でシールド処理しています。
SATAカードの接続は中間にPCIe x16延長コネクタを挟んでいましたが撤去しています。
またSATAカードとライザーのコネクタをホットボンドで固定してぐらつきを無くしています。
マザー側のライザーコネクタもシールド処理
マザーボードのPCIe x16コネクタに刺さるライザーコネクタにも中間コネクタ込みで全体をシールド処理しています。
PCIeリンク速度回復
PCIe信号経路にノイズ対策を行ったのが功を奏してリンク速度の低下が無くなりPCIe Gen3(8GT/s)でリンク可能になりました。
SATAストレージのアクセス速度も520MB/s程度と6Gbpsに近い速度が出るようになりました。
ノイズ恐るべし(笑)
今回の件でPCIe Gen3の信号に対するノイズ干渉対策の良い勉強になりました。
さらにPCIeライザーに使われるUSB3.0ケーブルでPCIe Gen3(8GT/s)の信号伝送に耐えられるという実験結果も得られました。この事からマイニング用PCIeライザー製品もサーバー構成に有用であると結論付けました。
こう一つ言えるのはマイニング用PCIeマルチプライヤーカードを使用してPCIe x1ポートを複数増設できることが判っています。この事から本機にさらなる増設の可能性が見えてきました。(フフフ)
対策による本機の変更
上でも書きましたがSATAカードが接続されるPCIe x16形状の延長コネクタを撤去し、PCIeライザーコネクタを直挿しできるように拡張カードの接続部を作り替えています。
SATAカードをちょこっと移動
PCIeライザーのコネクタがCPUクーラーに干渉しない程度にSATAカードを移動。
ついでにSATAカードをセンタリングしてカードが付いたまま固定用のアルミ板を本機から外せるように変更しています。(以前はカードを外さないと固定ネジが外せなかった)
次回予告(設定)
SATAストレージのアクセス速度問題もひとまず解消しました。
次回は数の多いストレージを簡単にファイル共有できるようにする設定を行います。