タブレットだけどストレージ容量が欲しい
先回入手したAtom z3795搭載32Bit OS専用タブレット「NEC VersaPro VT-J」はストレージにeMMC 128GBを搭載していますが、使用しているうちにストレージ容量が欲しいなと感じるようになりました。
とはいえストレージの増設手段といえばMicroSDと外付けになるであろうUSB2.0が1ポートのみです。
MicroSDは何GBまで認識するかが未知数な為、いきなり512GBや1TBを装着するのには勇気がいります。
そこで本機USB2.0ポートを一旦内部に引き込み、USB2.0 HUBを増設してUSBポートを内部で増やすことにしました。
USB2.0 HUB内蔵
4ポートUSB HUB追加
本機USB2.0ポートのコネクタを一旦取り外し、基板側からUSB信号の「D-」「D+」を引き出します。今度はUSBコネクタの「D-」「D+」に配線を接続し基板に取り付けないように加工します。基板にUSBコネクタを取り付けて半田付けします。
元バッテリーが載っていた広大な空き地に4ポートのUSB HUBを取り付けUSB信号の「D-」「D+」を基板側からはHUBの信号入力へ、コネクタからはHUBの出力の1つへ接続します。
電源を追加
セルフパワー用DC-DCコンバータ
USB HUBを追加するにあたってUSBバスパワーが不足します。そこでHUBに供給する電源を用意します。ここでは超小型DC-DCコンバータを使って本機の電源入力の12VからUSBバスパワーの5Vを作ってHUBに供給します。
本機の起動とバスパワーの出力開始を連動させるために本機のUSBポートからバスパワーの5VをDC-DCコンバータのトリガーにしています。
このバスパワーはHUBに接続された機器にのみ供給され、本機のUSB2.0ポートには本機からバスパワーを供給しています。
ストレージの内蔵
256GBのUSBメモリを2個接続
増設したUSB HUBの各ポートにUSBメモリを接続します。最短距離で接続するため配線には細いエナメル被覆線を使用しています。
今回は死蔵していたUSB3.1対応のUSBメモリ 256GBを2個、USB2.0でHUBに接続しています。
合計512GB増設したことになります。
現在の所HUBには3基のストレージが接続可能です。お金に余裕があれば512GB~1TBのUSBメモリを実装してみるのも良いかなと考えています。
アクセス速度
ストレージはUSB2.0接続
増設したUSBメモリのアクセス速度はリード40MB/s弱、ライト20~23MB/sと「USBメモリならこんなものだろう」という速度です。
本機のパフォーマンスではこれ以上アクセス速度が出たとしても生かせる場面が少ないようです。SoCのパフォーマンス的に厳しいし、WiFiの速度も300Mbps以下なので読み書きの速度はさほど必要としません。
増設したUSBメモリの特性から頻繁な書き換えを行わない「1度書き込んだら読み出し専用」的な利用方法で使用します。
過去のソフトウェアをインストールして使う
増設したストレージを「C:」ドライブにリンクさせることで過去のソフトウェアもインストーラで書き込み可能になります。
128GBしかない本機の「C:」ドライブに見かけ以上の情報を書き込んで「C:」ドライブのなかのファイルやフォルダとしてアクセスできます。
なので512GB USBメモリを内蔵したHUBに3基、MicroSD(対応するかは未確認)に512GBで合計2TBのストレージが増設できます。
1TBの製品を使っても良いのですが高価な上内蔵できるかわからないし、MicroSDに至っては認識するかも怪しいので512GBのUSBメモリを優先的に採用しようと考えています。
アクセス速度は遅いが非常に便利
増設したストレージはあくまで不足する記憶容量の増量で、性能は求めていません。
と言いますか、増設できる手段がUSB2.0とMicroSDしかない時点で速度性能は求めてはいけないと思います。
USB2.0は実測40MB/s、MicroSDは最高100MB/s程度とお世辞にも早いとは言えない。
ですが昨今のUSBメモリも書き換え寿命が長くなり、中にはウェアレベリングに対応する製品もあり長寿命化しています。
価格も昔ほど高価ではなくなり手頃な値段で大容量化が容易になりました。
大容量なストレージがあるという事はメディアファイルやデータファイルがより多く書き込めるのでメディアプレーヤーや写真や画像・コミックのビューアとしても本機を利用できるようになります。
今回の改造では本機の基本機能を失うことなくストレージ容量を増やすことが出来ました。