Hone.のPC工房

PC工作好きなHone.の活動記録ブログ

10.1インチ小型デスクトップPCを作り直した

更新:完成

複数の自作PCを1台に纏めた

 私が自作していた自称14インチ液晶の「LMPC」、10インチ液晶の「SLPC」、8インチ液晶の「MLPC」を1台に減らすために10インチ液晶の一体型PCに機能を集約して作り直している。

 

3台のPCを1台に

 

LMPC 14インチは我が家では大きすぎた

 上の写真のPCは故障したノートPCの液晶部分をそのまま流用してPCを組んだ代物で、性能的には申し分なかったが作業スペースに限りがある我が家では本体サイズがやや過剰で置き場に困った。

 

液晶パネルがFHDなので破棄は勿体なくPC部分解の後、液晶パネルの再利用を検討している。14インチ液晶は緊急用外部モニターとして作り直す予定。

 

MLPC 8インチは画面小さくおっさんの目には文字が見難い

 これはあくまで私の意見だが、世の中にUMPCの人気が再燃し小型で高性能な製品が次々と発表されていることを考えると需要は大きいのだろう。

 

しかもサイズが小さければ占有スペースも少なくて済む。作っているときはノリノリであったが実際に使う段になって「長時間の使用は目が疲れる」という結論に達してしまった。

 

MLPCはストレージだけを流用し起動できる状態で保管することにした。

 

SLPC(ZERO) 画面サイズは丁度良いが機能に難ありだった

 上の写真はPC部にAtom SoCを使用したスティックPCを再利用しけっこう良い動きだったが、内蔵ストレージの容量が少なく増設が必須だった。しかし増設に利用したUSB3.0に不具合が生じ使用続行が不可能になったため実用から外れた。

 

 

今回製作したPCの外観

 上の写真にある3台のPCを1台のPCに作り替える事にした。まずはサイズ選定は10インチ液晶が丁度良いサイズなのでSLPCをベースにしてケースや内蔵パーツを最近製作したLMPCから流用しようと考えた。

正面 SLPC時代とあまり変わらない

 

 いきなり完成しているが中華製10インチ液晶モニターのベゼルと液晶パネルにLMPC筐体と内部部品を移植し、表示部をeDPからLVDSへ変更しただけである。

 

液晶パネル

eDPとLVDSは液晶パネルの信号形式でLVDSよりeDPの方が新しい規格となる。本機は先祖返りしたことになるが液晶パネルはADSと比較的新しい仕様で発色、視野角共に最近のタブレットPCのそれと遜色ない。

 

ADSは液晶基板構造の一形式。IPS形式の中国版のようなもので安価で量産性に優れながら性能はIPSと同等である。

 

表示解像度

液晶解像度は1280×800ドット 16:10でWindows7時代のパッケージゲームなどの標準解像度(1280×720ドット)に近いので画面表示がスケーリングの為にボヤケたり縮小によるジャギーなどが発生しにくい。

 

ただ16:9の画像では上下に4:3の画像では左右にクロップ(無表示空間)が出来るが、古いソフトなど4:3表示では16:9の画面より表示面積が多くクロップを小さく抑えられる。

 

1280×800ドットの表示解像度は非力な内蔵GPUで大解像度画面を接続するよりも表示に必要な負荷を低く抑えられる。表示パフォーマンスを少しでも稼ぎたい場合に有効である。

 

簡単に説明すると1920×1080ドットと1280×800ドットの画面では後者の方がベンチマークスコアが高くなる。表示密度が少ない分情報量は少なくなるが「何に使用するか」で表示かパフォーマンスから今回はパフォーマンスを優先した。

 

スケーリング表示対応

上記は物理解像度の話だが本機の液晶モニタはスケーリング処理により1920×1080ドットまでの表示も可能である。しかし画面サイズが小さいため視認性は悪くなる。

 

左I/O部

左側面

 

 筐体は液晶画面とほぼ同サイズ250mm×160mmで奥行だけが75mm程度に増えている。筐体を支えるスタンドも手を加えずそのまま流用している。

 

左側面のI/OはUSB3.1 TypeA×2と1Gbps 有線LANがあるがこちらはほぼ使う事は無い。本機完成後は排気口を除きメクラ板で蓋をする予定でいる。

 

サイズの割に重量は1.2Kg程度と軽い。完成時には1.3Kg程度になるだろう。

 

右I/O部

右側

 

 LMPC時代の余分な穴が開いているがそのまま放置する。また縦長の開口部にはUSB2.0 HUBを3ポート分設置する。

 

USB2.0 HUBは4ポートの製品を内蔵するが、うち1ポートを内部に引き込み特殊機能を割り当てた簡易キーボード(後述)を接続する。

 

写真は仮設のHUBを映しているが動作確認で問題が無いので「いっそこのままでも良いか」と妥協した。本来ケースに入ったHUBを用い余分な開口部を塞ごうと思ったりもしたが。

 

あと右側面にはマザーボードから出た音声出力をヘッドフォン端子で出している。

 

簡易キーボード

上部

 

 筐体上部にはキーボードレスでもある程度操作できるようにUSB2.0接続の簡易キーボードを設置した。キーボードの各キーは自由に機能の割り当てができるので特殊キーとして利用する。

 

 

見た目はキーボードと呼ぶには随分簡素だが、使用頻度が低いものなので適当にタクトスイッチで作った。

 

内部レイアウト

内部(上側から)

 

 筐体はLMPCの物を流用したが表示部がeDPからLVDSへ変更になったため表示部を中心にレイアウトの変更を行った。また右側側面にUSB2.0 HUBを設置した。

 

マザーボード

マザーボードにはIntel NUCをそのまま内蔵しており今後のアップグレードや故障時の代替なども割と自由に行える。なにより基板面積が小さいのに結構良い動きをする。

 

不満点は発熱と消費電力が基板のサイズに反して高い(笑)。特に発熱に関しては割と深刻で、筐体を1サイズ大きくして明らかに過剰ともいえる吸気FANを載せてようやくバランスが取れる程でる。

 

件のNUCは「Intel NUC7i5BNH」で省電力型Core SoCのCore i5-7260Uを搭載しているが、内蔵GPUIntel Iris Plus Graphics 640を搭載しこれまでのSKUと比べグラフィックスパフォーマンスが高い。

 

パフォーマンスが高いということは消費電力も発熱も高いということで本機の最高負荷時の温度は75度、消費電力は全体で実測55wにもなる。低消費電力と言いながらなかなかの大食いである。

 

以前MLPCにNUCを内蔵し吸排気よりも発熱が勝った為に最終的には熱暴走を起こした経験がある。以後自作PCには過剰なほどの冷却対策を行うようになった。

 

吸気FAN

吸気FANと簡易キーボード

 

 筐体内に熱が籠らないように吸気FANは80mmの物を使い強制的に換気を行う。能力のほどはLMPC時代に問題が無いことを確認している。

 

FANは12Vの製品を5Vで駆動し静穏性を確保している。厚さはガードを合わせて15mm程度だが内蔵させるためにケースが1サイズ大きくなってしまった。

 

ストレージ

 ほぼほぼゲーム用になるであろう本機のストレージは起動を含め3基のM.2 SSDを搭載して総容量は3TB。

 

今後のストレージ増設を視野に入れてUSB3.0 HUBとUSB3.0 M.2変換基板の増設を検討中。

 

周辺機器

 本機に繋ぐ周辺機器は有線小型キーボード、有線マウス、有線ゲームパッドを予定している。

 

総て有線式にしたのは無線子機には電池またはリチウムイオンバッテリーが内蔵されており電池消耗による交換の手間や出費、リチウムイオンバッテリーの再充電や鉛化した場合の処分の手間を省く目的がある。

 

キーボードやマウスなどは本機に近い位置に設置するものなのでUSBケーブルもそれなりに長さを調整すれば良いし、ゲームパッドに至っては電波指向性や遅延問題を気にしないで済む分、有線化はメリットがある。

 

また2.4GHz無線機器などはUSB3.0の信号キャリアとの電波障害などにより不具合が発生する。

 

操作系周辺機器を接続する場合はUSB2.0接続にして他のUSB3.0機器とは別のポートを使用する。信号ケーブルもシールド処理をして誤動作を避ける対策が必要。できる事ならばPC内部のUSB系統も別のコントローラーからの接続を利用する方が確実である。

 

USB3.0接続のストレージと同じHUBにキーボードなどを接続するとかなりの確率で不具合を起こす。

 

スペックとベンチマーク

マザー:Intel NUC NUC7i5BNH

液晶

  • 10.1インチ ADS 1280×800ドット 16M色 LEDバックライト 光沢
  • 40ピン LVDS インターフェース 
  • バックライト制御基板

液晶制御基板(アマゾン)

  • HDMI入力 LVDS出力  1280×800ドット 60Hz フルカラー対応
  • HDMI 音声出力対応(ボリュームコントロールあり) 未使用
  • 明るさ、コントラスト、色合い、画面比の変更可能
  • スケーリングにより1920×1080ドットまで表示可能

増設ストレージ

外部I/O

ケース(付属部品)

電源

  • 19V MAX 65W
  • ノートPC用65Wアダプターが使用可能
  • ケースから1.5Mの延長ケーブルが出ている

重量

  • 約2Kg

サイズ

  • 255mm(幅)×190mm(高さ)×110mm(奥行)

ベンチマーク

CPU-Z Multi Thread

  • 4Thread 1002

発熱

CPU・GPU負荷100%時にて1時間放置(室温20度)

仕様

  • 本機はWindows10 Home 1607 64Bit版専用
  • カメラとマイク、スピーカーは非搭載

 

動作チェック

ランチャー画面

 

 起動後ランチャーソフトを使ってソフトを起動する。

 

ゲーム動作画面

 

 写真はDMMの「プリコレ」を全画面化してプレイしている。大抵のゲームは全画面設定で邪魔なタイトルバーなどを消して遊べるが、一部のゲームでは互換性問題で全画面化できないソフトもあるようだ。

 

あとは前述した通り16:9や4:3の画面比を持つソフトでは画面上下左右にクロップが出てしまう。

 

PSO2 NGも設定次第でプレイ可能

 

 3Dゲームも表示クオリティやフレームレートの調整でプレイできるタイトルもある。私は3D酔いの症状が酷いため最近はプレイしなくなったが・・・。

 

あまりマザーボードを新しい世代にしてしまうと旧世代のソフトウェアが動作しなくなる可能性もあるので現在の第七世代辺りまでに留めて使うことになる。

 

一通りの動作チェックが終わり完成に近づいた。

 

一応仮設で右側USB2.0 HUBを内蔵し、簡易キーボードも動作している。あとは拘りの領域となるだろう、心持仮設HUBのままでも良いかと思う所があり動作しているものを見栄えの為に変更するのも勿体ない気もしないでもない。

 

あとは気分次第で「見栄え」の部分にも手を加えることにしよう。