本機筐体部分となるアルミケース「タカチ電機工業 MB型アルミケース MB16-6-25」を加工する。
筐体部品取り付け側
筐体部品側。こちら側に主要な部品を取り付ける。
穴あけは3㎜と2mmのドリルで穴あけ。大口の開口部は下穴を開けた後ハンドニブラーにて開口している。
筐体裏側蓋部
筐体裏側。こちらには排気用50mmFANの開口と吸気用の角穴を切り抜いている。
とにかくFANの円形に切り抜く作業には時間がかかった。
本機の電源は19V共有電源を接続し、内部でDC-DCコンバーターを使い12Vと5Vを作っている。
電源用DC-DCコンバータ
緑の基板は19Vから12Vを作るためのコンバーターで容量は最大10A。
このコンバーターは内蔵PCと液晶パネル、5V用DC-DCコンバーターへ12Vを供給する。
青の基板は内蔵PCのバスパワーをトリガーとしてFET SWを介して供給される緑の基板の出力12Vを入力し5Vを作るコンバーターで容量は最大5A。
このコンバーターは主にUSB3.0接続のSSDやUSB3.0 HUBに5Vを供給する。
各コンバーター基板は二次側のコンデンサの容量を大きくしている。これにより入力電圧の変動や、負荷変動による誤動作を緩和できる。
組み付け後の様子
ダウンロードとローカルWEBサービスの小型サーバー
以前からインターネットからの情報収集とローカル向けWEBサーバーをIntel NUC DC3217BYで行ってきたが、第三世代1.8GHzのCore i3ではパワー不足気味なのと最近になってECS LIVA Q2 N4100を入手した事によるダウンローダーの世代交代を行うため新たにダウンローダー用PC「DLSVR」を作ってみた。
稼働中のDLSVR(中央)
DLSVR(以下本機)はECS LIVA Q2 N4100のマザーボードのヒートシンクを大型化しノート用冷却FANを追加して発熱対策を行った本機にUSB3.0接続のMini-SATA SSDとUSB2.0 HUBを加えた小型ネットワークPC。
増設SSDと本機
本機は増設ストレージにWindows10をインストールして起動する。SSDの容量は512GBで情報をSSDにダウンロードする。
当初内蔵eMMCにWindows10を入れて増設SSDをデータ領域にしようと考えたが、eMMCに入れたWindows10がHomeだったため入れ直しが面倒になりNUCのSSDをOS毎そのまま再利用した。
増設SSDの裏にはUSB2.0 HUB
本機は24時間単独動作でインターネットから情報をダウンロードしたり、ローカル向けにWEBサービスを実行する。
本機にはモニタやキーボードなどは接続せず、設定やファイルの受け渡しなどはリモートアクセスで行う。
スペック
マザーボード
ECS LIVAQ2-4/32-W10(N4100)
SoC
Intel Celeron N4100
4コア 4スレッド キャッシュ4MB 14nm 6W
ベース1.1GHz バースト2.4GHz(4コア)
メモリ
LPDDR4 2400 4GB シングルチャネル
グラフィックス
インテル UHD グラフィックス 600
ベース200MHz バースト700MHz
実行ユニット12 DirectX12
映像出力
HDMI 2.0×1
音声
インテル ディスプレイ用オーディオ(HDMI)
ストレージ
eMMC 32GB(未使用)
USB3.0接続SSD Mini-SATA 512GB
MicroSD PCIe接続 MAX512GB 100MB/s
ネットワーク
1×Gigabit LAN
Wi-Fi 802.11ac(未使用)
Bluetooth 4.1(未使用)
USB
USB2.0 TypeA×4
OS
Windows10 1511 Pro 64Bit
一部ドライバ未適用
(Windows11インストール可能:入れないが)
セキュリティ
TPM2.0
電源
12V 1.5A
重量
500-600g
本機は消費電力が最高65WだったIntel NUCの置き換え用に製作したPCで、最高15W程度の消費電力であり、発熱も皆無に等しく静穏だ。
MLPC2完成に伴い最終スペックを掲載する。
マザーボード
Diginnos DG-STK4D
CPU:Intel Atom x5-Z8550 1.4-2.4GHz
4コア 4スレッド キャッシュ2MB SDP:2W
メモリ:LPDDR3L 4GB デュアルチャンネル接続
ストレージ:32GB eMMC
WiFi:IEEE802.11 ac / Bluetooth 4.0
映像:HDMI 1.4(音声出力兼用)
USB3.0:TypeA × 2
MicroSDスロット:256GB認識
液晶
1280×720ドット LEDバックライト IPS液晶
HDMI接続
中華Eyoyo製
増設ストレージ
USB3.0接続 M.2 NGFF(SATA) SSD
2242 1TB × 1
2280 1TB × 1
サウンド出力
ヘッドフォン出力 × 1
その他
マザーボードFAN 速度可変スイッチ
電源
19V 3A 程度 5.25mm ピンジャック接続
OS
Windows10 1511 Home 64Bit
寸法
サイズ(mm):205×145×60
増設ストレージ(SSD)速度
ケースに収まるように部材を加工しながら組み付けていく。
液晶パネルと制御基板
液晶パネルと制御基板はケースに取り付け可能にするためアルミ板に組み付けて制御基板の不要な部分を取り外している。
ケースに取り付け
液晶パネルサイズに開口したケースの「蓋」部分に液晶パネルを載せて固定する。
フロント部分完成
完成したフロント部分。液晶パネルが予想以上に大きいためパワースイッチが取り付けできない。
パネル表示部が右側に寄っているため余分に開口して見栄えを整えるも表示が少し右側に寄っている。
下層部組み付け
下層部はほぼ予定通りの姿になった。電源制御用のFET SW(黒い基板)を下層部に配置。
USB3.0 HUBへのバスパワーを制御する。
上層部作り込み
上層部はアルミ板へ組み付ける。FET SW(黒い基板)があるが後に下層部へ移動し、後述の音声基板を追加している。
組み合わせる
製作した下層部、上層部、フロント部分を組み合わせて配線を半田付けした様子。
苦肉の音声出力部
液晶制御基板に音声出力機能があるもののスピーカー出力の為抵抗を使って音声レベルをヘッドフォン出力に合わせる。
しかし音声出力部のアンプの構成が差動アンプの為、左右の出力線の共通側を短絡できない仕様になっている。
苦肉の策としてスピーカー出力の全ての線に抵抗を入れて抵抗の二次側で共通部を接続している。
抵抗の二次側をヘッドフォン端子に接続している。
MLPC2を製作するため必要な部品やケースなどを準備する。
ケース
ケースはポリプロピレン製の釣り具(ルアー入れ)を流用。半田コテで穴あけや加工ができるため採用した。
PC本体と電源、増設SSDなど
①PC本体
②5V用DC-DCコンバーター MAX10A
③USB3.0 HUBとUSB3.0 M.2 NGFF SSD変換基板
④12V用DC-DCコンバーター MAX5A
その他の部材
⑤FAN速度変換スイッチ
⑥50mm FAN 12Vの製品を5Vで駆動
⑦PC用電源スイッチ
⑧USB2.0 HUB 3ポート用(4ポートを3ポートに改造)
液晶モニタ
中華製8インチ液晶モニタを分解して内臓。液晶解像度は1280×720ピクセルの製品。
その他必要部材は組み付けを行いながら準備していく。
死蔵しているスティックPC「Diginnos DG-STK4D」を使用して8インチ液晶のレトロゲーム用PC「MLPC2」を作ろうと思う。
目的
Windows7時代のパッケージソフトやレトロゲームエミュレーターをインストールしてゆっくりマッタリプレイする専用環境が欲しくなった。
下層部
下層部にはUSB3.0 HUBやUSB3.0 M.2 NGFF SSD変換基板、USB2.0 HUBや排気FANを配置。
上層部
上層部にはPC本体や電源関連を配置。
エアフロー
本機のエアフローは後方排気方式を採用。筐体下面や側面より吸気し、PC本体のFAN(緑枠)と背面に設置した50mm FANにより効率よく排気する。
今見るとなんじゃこりゃな図だが当時は大真面目に書いていた記憶がある(笑)
電源図
電源は19Vを入力し本機内部で12Vと5VをDC-DCコンバータで作り、PC本体のバスパワーをトリガーとしたFET SWで液晶画面やUSB3.0 HUBなどへ通電する仕組みを採る。