第七世代NUCからBMAX B2 Plusのマザーに入れ替え
8インチ1280×720ドットのIPS液晶搭載のゲーム用一体型小型PCとして製作したMLPC3だったが、NUCの発熱が高く熱暴走を起こさない程度に冷却するにはFANの回転数を高くする必要があり結果として騒音が大きくなっていた。
最近になって年のせいか(笑)3Dゲームをプレイすると気分が悪くなる所謂「3D酔い」の症状が酷くなり3D FPSや3D MMORPG等をプレイしなくなった。今回LDZ236の改造を機にマザーボードが転用可能になったので本機にBMAX B2 Plus(Celeron N4120)のマザーを採用して作り直した。
加工中の様子
今回の改造で採用したBMAX B2 PlusのマザーボードはオンボードでM.2 SSDが2基搭載可能で省スペース化しやすい。また設置高さが25mm程度とNUCより低いためケース内に余裕ができて各部位の熱干渉も減らせる。
各部の配線はマザーに直配している
電源スイッチやFET SWへのトリガはマザーのランドに直接配線をはんだ付けしている。5VをUSBのバスパワーから採っているが後に不具合(後述)が発生する。
写真のM.2 SSDは左がNGFF(SATA)、右がNVMeでそれぞれ1TBを載せサーマルパッドで筐体と接触させ放熱を行っている。起動はNVMe SSDで行っている。
部品取り付け後
写真は加工が終わった内部の様子でNUCを搭載していた時と比べ、ストレージを減らしたり電源配線が減ってスッキリした。
マザーと液晶制御基板が12Vで駆動するためDC-DCコンバータ1つで両方の駆動が可能になり安定した電源が利用可能になった。本機電源は19V供給し12Vに変換して使用。
液晶パネル側は電源を撤去してマザーと共有化
前面パネルの裏側は以前から変更がなく液晶制御基板の電源を撤去した程度だ。筐体内の空きスペースが増えたおかげで熱を逃がしやすくなっている。
完成後の正面
写真は通電テストの様子。正面パネルは以前から変更はない。
完成後の背面
背面は排気FANが筐体外部に移動した。これはFANを内側に設置するとマザーのUSBポートに干渉したためで機能的には問題はない。
WiFiとBluetoothのアンテナが内蔵ストレージの配置の影響で電線の引き込み口を変更している。筐体がプラスチック製ならばアンテナを内蔵できるが金属筐体だと外に追い出す必要がある。
筐体上面の穴はマザーボードの排気口になっている。
筐体側面の変更はない。後日余分な穴をアルミ板で塞ごうと思う。
発熱と騒音
第七世代NUCを採用していた時は高負荷(3Dゲームプレイ)時にはSoC温度が80度を超え画面表示が停止するなど不具合がしばしば起こっていた。狭い筐体内でのメモリとストレージの発熱、その他の周辺部品からの熱も相乗効果で不具合を助長していた。
マザーをBMAX B2 Plusに変更してからはSoCのCPUとGPUの負荷率を100%にした場合で駆動周波数は2.5GHzから2.1GHzに下がるものの室温20度の環境で発熱は60度程度で安定している。筐体を触ってもさほど熱く感じないところを見るに排熱にも問題はないようだ。(TDP 15W Unlock 発熱リミット75度時)
FANの動作音は非常に静かで動作音は聞こえるが静粛な室内での動作でも気にならない程度で昨今のノートPCの方がかなり煩い。
不具合と対策
不具合というよりは本機マザーボードの癖なのだろうか、BIOS設定にCステートの設定項目が無いまたは名称が独特なのか判らないがDeep S5設定が出来ないためマザーボードの電源OFF時でもUSBにバスパワーが出力されている。
USBバスパワーを排気FANとFET SWのトリガに使用したが電源が供給されっぱなしの状態だ。液晶制御基板はパワーセーブで消灯するがFANは回りっぱなしである。
回避策としてマザーボードの冷却FANの電源周辺からマザーボードの電源と連動している5Vのパターンを探し出しそこにFET SWと排気FANの電源線を接続した。
結果として
3Dゲームをプレイしないのであれば比較的パフォーマンスの低いAtom SoCのCeleronでも十分実行可能である。2Dのゲームでもシェーダーやフレームバッファなどの3D機能を使用するタイトルでも十分プレイできている。
ただ最近多くなりつつあるDMMなど仮想マシンを使ったエミュレーターで実行するタイトルはCore系のCPUのPCを使用したほうが良いようだ。
今回は発熱の高いPCを静穏で低発熱な「ローエンドだが十分使える小型PC」に作り替えたお話。