Hone.のPC工房

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ASUS T90CHI-3775 改造後の諸問題と運用方法

 先日購入し改造を行い一段落した本機「ASUS TransBook T90CHI-3775」だが、使用段階で色々な問題が出てきた。

本機

 本機は2015年発表のAtom SoC Z3775を搭載しデュアルチャンネル接続のメモリを2GB、ストレージはeMMCで64GBの容量を持つ。追加ストレージは256GBのMicroSDが認識した。

改造後の問題点

●バッテリーの問題
 改造によってバッテリーを撤去し劣化による不具合を排除したは良いがBIOSでもバッテリー制御を行っているらしく、Windows10でバッテリー機能を殺しても電源投入から数時間でパフォーマンスが著しく低下する。(低消費電力モードに移行か?)

現象
 経過時間は負荷によって異なるが2.25GHzで動作していた本機が500MHz程度まで速度が低下する。

解決方法は今の所無くシャットダウン後電源アダプタをコンセントから抜き数秒放置の後、再度繋ぎ起動することで元のパフォーマンスに戻る。

●本機を充電状態にできない
 上記バッテリー問題解消に本機を充電状態(電源接続状態)にしようと試みたがUSBポートをホスト設定した関係で充電状態にできない。またOTG設定に戻しても外部から電源を投入している関係でバッテリー制御基板が「異常」状態と判断しているらしく充電状態にはならなかった。

マザーボードは5V入力に対応しているがバッテリー接続部に5Vを印加している関係でオーバーボルテージ(OV)と判定して充電出来ないのかもしれない。

 

●電源断後再起動で音量が規定値に戻る
 完全に電源が失われた後再び電源と投入し本機を起動した直後は音量設定の如何に関わらず音量が規定値になっている


解決方法は音量設定で音量値を表示または本機のボリュームボタンを一度でも押せば設定していた音量に戻る。

 

●完全に電源断すると内部時計が狂う。

解決方法は本機起動後、インターネットに接続し時計の同期が行われるまで待つ。同期が完了し現在の時刻を取得したらネットワークを切断する。


本機の運用
 2015年発表の本機は現在の最新タブレットと比較してパフォーマンスが低い。

ならばアプリケーションの実行環境を2015年当時のソフトウェアを実行するのに適した「仕様」に最適化すれば良いだろう。

●まずは使用するソフトウェアをインターネットを必要としない「旧来のパッケージソフト」だけを使用する。

●ファイルなどの情報のやり取りはローカルネットワークのみを参照する。

●ネットワークを使わない時はWiFiBluetooth通信を必ず切断する。常時接続状態にはしない。

●OSはサポートの終わったWindows10 Home 1511 32Bit版を使用する。

●セキュアブートやBitLockerなどシステムを重くする設定を無効にする。

●Windows10は当時の最終更新までアップデートを行い、後にWindowsUpdateを無効にする。

●WindowsDefenderを無効にしてファイルアクセスのパフォーマンスを向上させる。

●不要なサービスを無効にして常駐メモリ量を減らす。

●ストアアプリを全削除してWindows7来のアプリケーションだけを実行可能にする。

●OneDriveやCortana、EDGEやIE11をアンインストールしてブラウザはChromeなど他社製に入れ替える。

●パフォーマンス設定でパフォーマンス重視の設定を行う。

WindowsテレメトリーMicrosoftへアクセスする仕様をすべて無効に設定する。

 上記の設定でセキュリティ面を心配する声があるが、インターネットに接続しないのであればセキュアである。

セキュリティリスクの大半はユーザー側の操作ミスや知識不足から己からマルウェアやウイルスと言った悪意あるソフトウェアに感染している。

実行するソフトウェアを吟味し安全なものだけを本機にインストールしていれば脅威は無いし、インターネットへ接続しないのであれば攻撃も受けない。

簡単に言えばインターネット普及前のポケットコンピュータやPDAなどと同じ環境を構築すると言えばわかりやすいだろうか。

 

構築した環境(ランチャーソフトで画面いっぱいにアイコンを配置)


どうしてもインターネットから情報を取り入れたい場合は母艦となるPCを1台用意し、そのPCでインターネットから拾った情報をセキュリティチェックやウイルスチェックなどを行った後に本機へ転送すれば良い。

ここまでしてようやく「脆弱性」ありきの古いデバイスは現在でもある程度のパフォーマンスを保ちつつ使用可能となる。

まぁこれはあくまで私の持論だが。