Hone.のPC工房

PC工作好きなHone.の活動記録ブログ

MLPC ZERO 増設ストレージとマザーボード配線

結局小型化は無理っぽい(笑)

 先回マザーボードの冷却部を小型化して静穏性を確保したが、後述の増設ストレージや電源などを設置すると結構な面積になり結局ある程度のサイズになってしまうようだ。

 

それでも省電力と静穏性だけは確保したい。

 

増設ストレージ

 本機のマザーボードにはeMMCで32GBのストレージが内蔵されているが、速度的にも容量的にもお世辞でも優れているとは言えない。

 

そこで以前から増設ストレージをマザーボードに接続することで不足するストレージの容量を確保していた。

 

加工中のストレージ増設基板

 

 写真は本機に搭載予定のUSB3.0接続NGFF変換基板で2280サイズのSATA M.2 SSDを1枚搭載できる。

 

基板から見える2本の赤い線は片方がUSB3.0のバスパワー、もう片方は変換基板の電源線になる。これらはUSBバスパワーをトリガーとしたDC-DCコンバータに接続され、十分な容量を持たないマザーボードのバスパワーは使用しない。

 

USBバスパワーをDC-DCコンバータに繋ぐのはマザーボードの電源とDC-DCコンバータの出力タイミングを同期させるためである。

 

USB3.0機器(ストレージ変換基板とUSB3.0 HUB)に使用するDC-DCコンバータは安全出力2A、最大出力3Aの超小型の製品をそれぞれで使用し、入力電圧が12V~19Vで5Vを供給できる。

 

接続部は手ハンダで汚いが・・・

 

 変換基板は過去に色々な機器で使い回されてきた製品だが、今日でも元気に動作している。現在は2280サイズのSSDの設置に調整している。

 

この製品はUSB3.0 TypeAコネクタが実装されていたが、筐体の小型化の為にUSB3.0ケーブルを直付けして本機マザーボードに接続した際の必要な面積を減らしている。

 

マザーボードの配線 

マザーボードへ繋ぐ配線の場所と機能

 

 マザーボードを筐体に内蔵しデスクトップPCよろしく機能させるには配線を追加して筐体と接続する必要がある。

 

筐体

 本機に使用する筐体はアルミケースを流用した。サイズは210mm×150mm×30mmで平面の面積が大きい代わりに高さを抑えた。

 

ちなみに

 200mm×140mmで8インチ 16:9画面

 250mm×150mmで10.1インチ 16:10画面

 300mm×200mmで13.3インチ 16:9画面

が収納可能である。

 

ただこのサイズでは我が家で死蔵している液晶パネルが入らないため液晶パネルの入った筐体の裏に亀載せする形になるだろう。

 

利用する可能性がある液晶パネルは

 11.6インチ1920×1080 IPS eDPパネル

 13.3インチ1920×1080 IPS eDPパネル

 10.1インチ1280×800 IPS LVDSパネル

 7インチ1024×600 IPS 制御一体のタッチ液晶(264K色)

の何れかになるだろう。

MLPC ZERO 製作開始

今度は古くても省電力性重視のミニPCをつくろう

 最近のPCはコア数が多くパフォーマンスが高いが消費電力が高く、洒落にならないほどの発熱を伴う製品が多いような気がする。

 

然程パフォーマンスを必要としない用途やマッタリした使い方をするのであれば高速で消費電力の高い最新PCなどは必要ないと感じる。ただOSであるWindowsがいらない機能の為に重くなってしまっているのも確かだが。

 

今回は以前MLPC2の初代機で使用していたAtom x5-Z8550搭載のスティックPCのマザーボードを再利用した、低機能だが省電力性に優れ静穏動作が可能なPCを作ろうと思う。

 

マザーボードを用意する

以前使用していたスティックPCのマザーボード

 

 以前MLPC2に搭載したマザーボードだが当時過剰な冷却機構を搭載したためサイズが大きくなり結果重量やFANの騒音などが大きく実用性に乏しかった過去がある。

 

今回はリベンジ的にサイズを小さくし冷却能力もオリジナルを超える放熱性を実現しようと加工に取り組む。

 

マザーボード裏側

 

 マザーボードは5V単一電源で動作。I/OもWiFiBluetoothUSB3.0と少ないので非常に小型である。

 

加工後のマザーボード(表面)

 

 まずマザーボードのSoC直上に密着させるべく「アルミ板」を当て「マザーボードを固定するアルミ板」に導熱両面テープで張り付ける。実装部品に高低差があるためそれらを考慮してアルミ板の厚みを調整するため2枚のアルミ板を貼り合わせてSoCのダイに接触させている。

 

次に故障したビデオカードから「ヒートシンク一体型冷却FAN」を移植してSoC直上に導熱両面テープで張り付ける。12V動作のFANだがUSBの5Vで駆動させるので静かで冷却能力も本機に限って言えば十分である。

 

Intel製品なのにRADEONなロゴ付きFANがちょっと笑えるが。

 

放熱FANの電源はUSBバスパワーから供給する。BIOS設定でDeep S5設定をEnableにすればPCの電源と連動してFANを動作させられる。

 

このマザーボードで冷却が必要なのはSoCと電源管理ICで、SoCはヒートシンク(アルミ板)密着、電源管理ICは導熱シリコンパッドを間に挟んで熱を逃がしている。

 

加工後のマザーボード(裏面)

 

 マザーボード裏面はストレージ(eMMC)とBIOS ROM、MicroSDスロットがある。USB3.0は基板センターに埋没する形で実装されており本機では内蔵デバイスや外部USBポート用のハブを接続して使用する。

 

それにしてもPCに最低限必要な機能は全て揃っているが小型で実装部品が少ない。

 

PCの小型化には持って来いの製品である。しかも最低限とは言え「2.4GHz駆動の4コアSoC」に「デュアルチャンネル接続の4GBメモリ」、起動だけなら十分の「32GBのストレージ」と機能的にも軽作業程度なら十分こなせる製品だ。(まぁ何をするかによるが)

 

これに液晶パネルとUSB3.0接続のストレージを1TBも搭載すれば日常使いの軽作業PCの出来上がりである。

 

現在Amazonで必要部材を取り寄せ中なので届き次第続きの加工に入りたい。

MLPC3 不具合修正

映像の乱れはドライバーだった

 昨日完成したMLPC3だったが液晶の表示が偶に一瞬切れる症状が発生していた。おそらくはHDMIの信号ケーブルだろうと色々と対策を行っていたが一向に改善する気配がなかったのでケーブル自体を交換を考えていたが、思い立ってドライバーを削除して再度インストールし直してみた所、映像の不具合が改善したようだ。

 

気付くのが遅れたためノイズ対策などで1日費やし無駄なことをしてしまった。映像の不具合が改善したことにより後に筐体内部の電源を見直して再配置を行った。

 

完成後のパネル側

 

 液晶制御基板の電源に超小型のDC-DCコンバータを使用し入力電圧19Vに対応した。これで電源の入力が12Vでも19Vでも制御基板には常に9~12Vが供給されるため電圧による不具合は無くなった。

 

完成後の本体側(放熱板無)

 

 電源統一化に伴い場所を食っていたDC-DCコンバータを撤去。その代り排気FANの電源に超小型のDC-DCコンバータを設置して電圧を自由可変にすることで騒音と排気量に対する妥協点を見つけ調整している。

 

あとは全体的な配線を整線する事でスッキリさせている。

 

完成後の筐体側(放熱板あり)

 

 最終的にはマザーボードにNVMe SSDの放熱と簡単なノイズ対策としてアルミ板を設置。今となっては杞憂だったが液晶制御基板の誤動作を緩和する目的があった。

 

本体裏側

 

 最大の失敗だったマザーボードの吸気穴のズレ(写真中央)に対しマザーボードの取り付け位置を調整することで修正。結果余分な穴が増えてしまったが・・・。

 

筐体左側

 

 外部I/Oはマザーボードの位置修正の為さらに内側に引っ込んだ。OSの再インストールやバックアップでもしない限り使用されない部分なので問題なし。

 

ダクト

 

 あとはマザーボードからの排気を通すダクトのサイズも修正している。

 

I/O部分を含む排気ダクトの開口部は特別メクラや網などを使用せずそのままだ。

 

完成

MLPC3通電中

 

 小型Windowsゲーム機MLPC3が完成した。

コンセプト的にはWindows7時代のパッケージゲームやゲーム機エミュレーター、旧PCのエミュレーターなどでゲームをプレイするための「ゲーム機」で、画面の解像度がFHDまでスケーリング表示ができるため物理液晶表示サイズを超えるブラウザゲームなどもプレイ可能である。

 

500mlのペットボトルとの対比

 

スペック的にも第七世代Core SoCや8GBメモリ(デュアルチャンネル)、Iris Plus Graphics 640など必要にして十分だしストレージも総容量3TBと十分である。

 

第12世代の現在から比べると骨董品に近いスペックだがOSもソフトウェアも当時やそれ以前の物を扱うなら最新機種を使わない方が都合がよい。

 

これにて小型据え置きPCのMLPC3は完成した。

MLPC3 完成

ようやく完成

 SLPCのサイズダウンを行うためにMLPC2の部品を流用して新たにMLPC3を製作し始めた。先回は液晶パネルを始め部品調達を開始していた。

 

アルミケース加工 本体側

 

 ケースの加工は予め寸法出しと加工寸法を記した型紙を用意し、アルミケースが届いたら直ぐに型紙を張り付けて罫書き作業に入る。

 

罫書きが終わればあとは穴あけだの型抜き作業を行う。

 

アルミケース加工 パネル側

 

 パネル側加工が一番神経を使った部位である。開口面積が広く液晶パネルの表示面の加工なので手を抜くと残念な仕上がりになる。

 

結局おじさんの手作業的に綺麗とは言えない仕上がりになったのだが・・・。

 

正面パネル加工

 

 開口したパネル面に部品を組み付け。液晶パネルのフィッティングでは数回の開口手直しが行われた。

 

パネル面は下側に右手から電源、液晶操作ボタン(+、-、選択、メニュー)、フロントUSB2.0ポートの順に並んでいる。

 

操作スイッチには基板用タクトスイッチをそのままケースの開口部から露出させて利用している。ボタンが小さいが頻繁にポチポチ連打する訳では無いのでこの大きさでも必要にして十分だろう。

 

正面パネル内部

 

 パネル側ケース内部には液晶パネルや操作スイッチ類のほかに筐体の足(ヒンジ)やNGFF SATA接続の増設ストレージを天井内面に設置している。

 

完成間近の本体側

 

 本体側はマザーボードや換気用FAN、後で追加となったDC-DCコンバータやNGFF USB3.0接続の増設ストレージを設置している。

 

完成時の内部

 

 完成時にはマザーボード直上にアルミ板を設置してNVMe SSDの放熱とノイズ対策にしている。

 

ただ液晶表示が偶に一瞬ではあるが信号ロストする時があり、ノイズを疑って対策をしたがあまり効果が無く後になって気づいたのがグラフィックスドライバの相性を疑っている。

 

正面

 

 完成後通電中の本機。傾斜可能な足を取り付け表示角度を変えられるようにしている。あとは転倒防止も兼ねている。

 

それにしてもグレア液晶は手垢が目立ってしょうがない。

 

後面

 

 本機後ろ側に最大の失敗であるFANの吸気穴が横に5mm程度ズレてしまっているのが判る。ただこの状態でもある程度吸気は可能なのでそのままにしている。

 

あとはアルミケースの弊害とも言えるWiFiBluetooth用のアンテナが露出している。金属筐体だと電波を通さないため苦肉の策で筐体後ろ側にアンテナを設置することである程度目立たなくしている。

 

左右側面

 

 左側面はマザーボードのI/OとCPUクーラーの排気口がある。15mmほど奥に入り込んでいるのはHDMIケーブル分奥に設置している。映像出力を液晶パネル側へ引き込む際に目立たなく処理する為にこのような形になった。

 

奥まった場所にUSB3.1 TypeAと有線LANがあるが、本機は運用上外部I/Oはほぼ使わないので設置場所には拘らない。

 

 右側面はヘッドフォン出力以外は何もない。内部部品取り付けネジが露出している程度である。

 

現在の不具合

 液晶表示に不具合がある。

1280×720ドットや1366×768ドット表示(スケーリング表示)にて信号ロストによる瞬時信号なし状態になる。1920×1080ドット表示のスケーリング表示では現象は発生しない様だ。

 

後日液晶制御基板と液晶パネルドライバー部を薄いアルミ板にてシールド処理してみようと思う。

MLPC3 液晶パネル加工

液晶パネルはMLPC2からの転用

 MLPC3製作に伴い廃版にしたMLPC2から液晶パネルを転用している。

以前と違うのはMLPC3では筐体正面にPC電源スイッチと液晶操作パネルを設置する点である。

 

製作中の液晶パネルと操作スイッチ基板

 

 液晶パネルはネジ止め固定が可能なように加工し、操作スイッチの基板を繋げている。不必要な配線を可能な限り減らして内部をスッキリさせる。

 

超小型DC-DCコンバータ

 

 ケース内の部品の設置スペースを減らすため電源を統一化している。

その一環として液晶パネルや制御基板への電源を19V入力でも動作するように超小型のDC-DCコンバータを間に入れることで12V駆動の液晶表示部をマザーボードと同じ19V入力でも動作可能にした。

 

またDC-DCコンバータをマザーボードのUSBバスパワーと連動してON/OFFさせることによって液晶表示部の電源を操作できる。

(液晶表示部は映像信号が無い場合は待機状態になり消費電力は皆無だが)

 

気になる消費電力だがこのDC-DCコンバータでも十分駆動できるし発熱も皆無だ。もし仮に発熱しても超強力な導熱両面テープ固定で接地面はアルミ板なので放熱対策も万全である。

 

加工した制御基板

 

 制御基板は可能な限り高さが低くなるように加工している。具体的にはコンデンサを寝かせたり不要なコネクタや配線を可能な限り撤去している。

 

ここまでしないとマザーボードと部品が干渉する。

 

液晶パネル側の加工はほぼ終了しているのでケースが届き次第設置に取り掛かる。

MLPC3 SLPCを8インチサイズに小型化する

中途半端なサイズで3Dゲームは難しい

 SLPCで3Dゲームをプレイしていて俗にいう3D酔いなる症状が酷くなってきたので3Dゲームのプレイを控えようと思う。

 

そこで我が家の3Dゲームを辛うじてプレイ可能なPCであるSLPCが過剰サイズとなったのでサイズを小さくしようと思う。

 

3Dゲームはプレイしないがゲーム機エミュレーターなどPCパフォーマンスを必要とする機会があるのでSLPCをブラウザゲームエミュレーターWindows7時代のゲームをプレイするのに十分な表示サイズのPCに作り換える事にした。

 

展開罫書き図

 

今回は液晶画面が8インチになるのでMLPC(小型PC)として製作する。通算3基目のMLPCなのでMLPC3と呼称しようと思う。

 

加工中の8インチ液晶パネル(HDMI接続)

 

使用するケースはタカチの200×140×50mmのアルミケースで既にAmazonに手配済みである。SLPC時と比べて2周り程度小さくなるので部品を納めるのに苦労する。

 

どうにか構想と部品配置に目途が立ったのでケースを発注し、加工図を起こして罫書きした後加工を開始する。ハンドニブラー一本で立体穴抜きにはかなり苦労させられそうだが・・・。

 

予定としては我が家に有る物の再利用で製作

 ・液晶画面は8インチの1280×720ドットのIPS

 ・第七世代NUC

 ・メモリ 8GB

 ・ストレージ 3TB(NVMe×1、NGFF×2)

 

 

年齢を感じさせるアレコレ

3Dのゲームを長時間プレイできなくなった

 オープンβ時代からまったりプレイしている3Dゲームある。

ちょっと時間が空いたので長めにプレイしようと起動したのは良いが、プレイを始めて30分程度経過した頃から頭痛が始まり1時間経過する頃には気分が悪くなり続行不可能になった。

思い当たる節はある。これは「3D酔い」という現象だろう。

3D酔いは動きのある小さな狭い空間を凝視する事により、頭の三半規管や関連する脳神経が空間誤認などの異常を来たす症状だと言われる。

これが始まりだすと3Dゲームの長時間プレイは難しくなり、加齢により症状は進行するらしい。ただ回避策や緩和策などはあるので環境が整っている場合は程度を軽く抑えることができるようだ。

ただ私のPC環境はモニタが10インチと小さく「狭い範囲を凝視」する事により3D酔いの症状はより発現し易いと思う。

となれば3Dゲームをプレイせず、比較的「動き」の少ないテキスト型アドベンチャーゲームや2D主体のゲームをプレイするスタイルに変えればゲーム中に気分が悪くなることを少なくできるだろう。

年を取ったなと感じさせる出来事だった。

SLPC 熱対策

第七世代NUCは熱かった
 マザーボードを第七世代Core SoC搭載の製品に入れ替えたSLPCだったが、高負荷時の発熱が筐体に籠ることでグラフィックス表示などが熱暴走を起こしていた。

筐体に取り付けた50mmの排気FANではマザーボードから出る熱を筐体外へ逃がしきれていないのが原因だった。

今回はマザーボードから出た熱を直接筐体上部から出すことにより筐体内に籠らない様にレイアウトを変更する。

レイアウト変更

マザーボードSSDの位置を変える

 

 以前6基内蔵していたSSDを4基に減らし筐体内をスッキリさせ、マザーボードの配置を変更する。

マザーボードの放熱FANの排気方向を筐体上面へ向けて取り付ける。

 

 

アルミ板下側

 

全体的な空気の流れを改善すべくアルミ板の下側を大きく開口した。

液晶制御基板が何気に交換されているが以前の制御基板が熱の為故障したようなので、新たに液晶制御基板を交換した。ついでに液晶パネルもノングレアのIPSパネルに交換している。

液晶パネルの交換に伴いバックライト基板が不要になった為撤去している。

 

上側から見た写真

 筐体の縦方向の空間が狭いためマザーボードの排気側(後ろ側)I/Oにコネクタが接続できなくなり、USB3.1ポートが使えなくなった。

このためUSB3.1接続の増設ストレージを2基減らした。

加工した排熱ダクト

 マザーボードの載るアルミ板から筐体上部までは隙間があるためアルミ板を加工してマザーボードの排気を通すダクトを裏蓋内部に取り付け。

筐体上部の排気口

 排熱はダクトを通って筐体上部の開口部から外へ排気される。筐体の開口部にはパンチング板をねじ止めしてソレらしく加工した。

配置変更後の動作
 本機に高負荷をかけてもマザーボードから出た排熱は筐体直上の開口部から外へ排出されるため筐体内には籠らなくなった。

マザーボードも循環熱による発熱の上昇が無いため熱暴走を起こさなくなった。

今回の改造で本機のスペックが変更になった為、以下の記事を修正している。

T90CHI-3775 キーボードドックにストレージ増設

やっぱりバッテリーは不要だった
 中古で購入したT90CHI-3775にはBluetooth接続のキーボードドックが付属している。そして最近このキーボードドックを本機のUSBポートから給電することでドック内のバッテリーを充電できるように有線化改造を施していた。

しかしよく考えてみると本機からUSBバスパワーの給電を受けるならバッテリーは不要ではないかと考え、試しにキーボーボードドックのバッテリーレス動作を行ったら普通に動作したのでバッテリーを撤去した。

本機のストレージ容量不足を補う改造
 結構使い勝手の良い本機だがタブレットスタイルやノートスタイルでも便利に使える。

ただ不満に思うのが内蔵ストレージの容量だ。本機はeMMCで64GB内蔵されているがWindows10と多少のユーティリティソフトをインストールして12GB程度。残りが自由に使用できる容量だがゲームをインストールしたり音楽や動画などを保存するには微妙な容量だ。

MicroSDスロットもあるが外部との大容量ファイルのやり取りに使用したいと考えているので本機に追加ストレージが欲しいところ。

かと言って一々USBケーブルを長く引き回して外付けストレージを繋ぐのもキーボードドックと排他利用になるので却下したい。

そこでノートスタイル限定となるがキーボードドックのバッテリーが載っていた空き空間にストレージを詰め込んで本機で使用できるように追加改造を行う。

出来るなら本機内部にHUBとUSBメモリを内蔵したかったが構造的に配線が厳しいのでキーボードドック側に内蔵する。

USB2.0 HUB内蔵

 バッテリーを撤去しUSB2.0 HUBを内蔵

 バッテリーを撤去した空間にUSB2.0 HUB(以降HUB)を内蔵し、本機からのUSBケーブルを充電用からデータ用に取り換えた。

HUBはバッテリー収納空間に収まるように4ポートの製品を3ポートに加工している。また内蔵に邪魔なコネクタや通電表示LEDなども撤去している。

上の写真で使用したHUBは部品点数が極めて少なく、基板片面にのみ実装部品があるタイプの製品でキーボード本体には強力な面着力の導熱両面テープで張り付けている。

USBストレージ内蔵
 キーボードに内蔵したHUBにストレージを接続して内蔵しようと考えた。

本機は唯一のストレージが接続できそうなインターフェースはMicroSDを除けばUSB2.0ポートだけである。

私は転送速度は度外視して記憶容量だけを増やしたいと考えている。

 

使用したUSBメモリ

まずUSBメモリをストレージとして内蔵するにあたりキーボードの空き空間に収まるサイズの製品を探す。

丁度小型のUSBメモリSanDisk Cruzer Blade 32GB」があったので殻割してみた。なんと最近の格安USBメモリはワンチップ構成の極小サイズだった。

これならばキーボードに余裕で内蔵可能なサイズ(10×15×2mm)なので取り付けてみる。

 

USBメモリを接続

 USBメモリの内蔵にはチップ裏側をキーボードの空き空間に導熱両面テープで張り付け、各信号端子を細い電線を使ってHUBに直接半田付けしている。

この方法ならば接触不良による誤動作は無くなるし、発熱の高いUSB3.1タイプの大容量製品を内蔵しても導熱両面テープによりUSBメモリチップの発熱をキーボードの内部筐体に逃がすことができる。

ただし本機の内部がXHCI(USB3.0ホスト)であってもUSBポートがUSB2.0接続になるのでUSB3.1タイプのUSBメモリを使用してもアクセス速度はUSB2.0と同じ最高480Mbps(60MB/s)である。

改造する分には配線が4本で済みノイズの心配が少ないのは助かるが(笑)。

接続したUSBメモリの転送速度

USB2.0製品ならばこの程度

更なる増設

USB3.1タイプのUSBメモリを増設

 上の写真はUSB3.1タイプの256GB USBメモリを2つ増設した様子である。

32GBの製品とは違い少し大きいサイズなので写真のような配置になっている。

 

USB3.1タイプ USBメモリの速度

 追加したUSBメモリの速度は読出しではUSB2.0の製品と変わらず、書き込み速度は多少早くなっている。(容量が大きくなった分性能が上がっただけかもしれないが)

 

 今となってはかなり遅い速度ではあるが2015年製の2in1 PCでゲームのプレイや音楽・動画再生、電子書籍などの閲覧程度ならば十分可能なアクセス速度だと思う。

また大きなサイズのデータをそのまま本機にインストールしても過大容量なだけなので本機の能力に合わせてデータの方を加工すれば問題はない。

画像や動画、電子書籍であればデータの解像度を液晶パネルの解像度である1280×800以内に収めればデータサイズはかなり小さくできる。

あとは余分なデータや使用頻度の低い物をネットワーク参照にすれば本機のストレージを圧迫しないで済むだろう。

要はPCの能力に合わせてデータを選んだり加工すればソレナリに多く記憶できると言う訳である。

ASUS T90CHI-3775 改造後の諸問題と運用方法

 先日購入し改造を行い一段落した本機「ASUS TransBook T90CHI-3775」だが、使用段階で色々な問題が出てきた。

本機

 本機は2015年発表のAtom SoC Z3775を搭載しデュアルチャンネル接続のメモリを2GB、ストレージはeMMCで64GBの容量を持つ。追加ストレージは256GBのMicroSDが認識した。

改造後の問題点

●バッテリーの問題
 改造によってバッテリーを撤去し劣化による不具合を排除したは良いがBIOSでもバッテリー制御を行っているらしく、Windows10でバッテリー機能を殺しても電源投入から数時間でパフォーマンスが著しく低下する。(低消費電力モードに移行か?)

現象
 経過時間は負荷によって異なるが2.25GHzで動作していた本機が500MHz程度まで速度が低下する。

解決方法は今の所無くシャットダウン後電源アダプタをコンセントから抜き数秒放置の後、再度繋ぎ起動することで元のパフォーマンスに戻る。

●本機を充電状態にできない
 上記バッテリー問題解消に本機を充電状態(電源接続状態)にしようと試みたがUSBポートをホスト設定した関係で充電状態にできない。またOTG設定に戻しても外部から電源を投入している関係でバッテリー制御基板が「異常」状態と判断しているらしく充電状態にはならなかった。

マザーボードは5V入力に対応しているがバッテリー接続部に5Vを印加している関係でオーバーボルテージ(OV)と判定して充電出来ないのかもしれない。

 

●電源断後再起動で音量が規定値に戻る
 完全に電源が失われた後再び電源と投入し本機を起動した直後は音量設定の如何に関わらず音量が規定値になっている


解決方法は音量設定で音量値を表示または本機のボリュームボタンを一度でも押せば設定していた音量に戻る。

 

●完全に電源断すると内部時計が狂う。

解決方法は本機起動後、インターネットに接続し時計の同期が行われるまで待つ。同期が完了し現在の時刻を取得したらネットワークを切断する。


本機の運用
 2015年発表の本機は現在の最新タブレットと比較してパフォーマンスが低い。

ならばアプリケーションの実行環境を2015年当時のソフトウェアを実行するのに適した「仕様」に最適化すれば良いだろう。

●まずは使用するソフトウェアをインターネットを必要としない「旧来のパッケージソフト」だけを使用する。

●ファイルなどの情報のやり取りはローカルネットワークのみを参照する。

●ネットワークを使わない時はWiFiBluetooth通信を必ず切断する。常時接続状態にはしない。

●OSはサポートの終わったWindows10 Home 1511 32Bit版を使用する。

●セキュアブートやBitLockerなどシステムを重くする設定を無効にする。

●Windows10は当時の最終更新までアップデートを行い、後にWindowsUpdateを無効にする。

●WindowsDefenderを無効にしてファイルアクセスのパフォーマンスを向上させる。

●不要なサービスを無効にして常駐メモリ量を減らす。

●ストアアプリを全削除してWindows7来のアプリケーションだけを実行可能にする。

●OneDriveやCortana、EDGEやIE11をアンインストールしてブラウザはChromeなど他社製に入れ替える。

●パフォーマンス設定でパフォーマンス重視の設定を行う。

WindowsテレメトリーMicrosoftへアクセスする仕様をすべて無効に設定する。

 上記の設定でセキュリティ面を心配する声があるが、インターネットに接続しないのであればセキュアである。

セキュリティリスクの大半はユーザー側の操作ミスや知識不足から己からマルウェアやウイルスと言った悪意あるソフトウェアに感染している。

実行するソフトウェアを吟味し安全なものだけを本機にインストールしていれば脅威は無いし、インターネットへ接続しないのであれば攻撃も受けない。

簡単に言えばインターネット普及前のポケットコンピュータやPDAなどと同じ環境を構築すると言えばわかりやすいだろうか。

 

構築した環境(ランチャーソフトで画面いっぱいにアイコンを配置)


どうしてもインターネットから情報を取り入れたい場合は母艦となるPCを1台用意し、そのPCでインターネットから拾った情報をセキュリティチェックやウイルスチェックなどを行った後に本機へ転送すれば良い。

ここまでしてようやく「脆弱性」ありきの古いデバイスは現在でもある程度のパフォーマンスを保ちつつ使用可能となる。

まぁこれはあくまで私の持論だが。